アポロドーロス ギリシア神話(Bibliotheke)

アポロドーロス ギリシア神話(Bibliotheke)

岩波文庫 高津春繁訳

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【第1巻】[第1章~第6章]神々について

[第1章]
1―3、天空(ウーラノス)と大地(ゲー)の子、百手巨人、キュクロープスたち、ティーターン族
4、ティーターン族の反逆、エリューニュスの誕生
5―7、クロノスとレアーの子、ゼウスの誕生(6―7)
[第2章]
1、オリュムポスの神々の支配権の成立
2―5、ティーターン族の後裔、オーケアノスの娘たちその他
6―7、海洋(ポントス)と大地(ゲー)の子孫、虹、ハルピュイア、ポルコスの娘たち、ゴルゴーン(6)、ネーレウスの娘たち(7)
[第3章]
1、ゼウスの子孫
2、ムーサの子孫、リノス、オルペウス
3、ヒュアキントス、タミュリス
4、レーソス、コリュバースたち、セイレーン
5、ヘーパイストス{ヘパイストス}
6、アテーナー{アテナ}の誕生
[第4章]
1、アステリアー、レートー、アポローン{アポロン}とアルテミスの誕生、ピュートーン、ティテュオス
2、マルシュアース
3―5、オーリーオーン{オリオン}
6、ポセイドーン{ポセイドン}とアムピトリーテーの子
[第5章]
プルートーン、ペルセポネー、デーメーテール{デメテル}、デーモポーン、トリプトレモス
[第6章]
1―2、神々と巨人(ギガース)たちとの戦闘
3、テューポーン

【第1巻】[第7章~第10章]デウカリオーンの後裔

[第7章]
1、プロメーテウス{プロメテウス}
2、デウカリオーン、その子孫、ヘレーン
3、ヘレーンの子ドーロス、クスートス、アイオロスおよびその子孫(3―第8章6、アイオロスの娘たちとその後裔)
3、ペリメーデー、ペイシディケー
4、アルキュオネー、カナケー、アローアダイ
5、カリュケー
6、エンデュミオーン
7、アイトーロス、プレウローン、カリュドーン
8―9、マルペーッサ
10、オイネウス、セイレーン
[第8章]
1、オイネウスとその子供たち
2―3、メレアグロス、カリュドーンの猪狩り
4、オイネウス、ペリボイア
5―6テューデウス
6、アグリオスの子供たち、オイネウスの死、ディオメーデース
[第9章]
1、アタマース、その子プリソクス、ヘレー、金毛の羊
2、アタマースとイーノーの死
3、シーシュポス
4、デーイオーン
5、ペリエーレース
6、マグネース
7、サルモーネウス
8―10、サルモーネウスの娘テューロー、その子ネーレウス、ペリアース
11、クレーテウス、その子アイソーン、アミュターオーン、ペレース、アミュターオーンの子メラムプース、ビアース
12、メラムプース、イーピクロス
13、ビアースとメラムプースの子孫
14―15、ペレースの子アドメートスとその妻アルケースティス
[第10章]
16、イアーソーン{イアソン}金毛の皮を持ち来ることを命ぜられる。アルゴー遠征の勇士の名
17、レームノス寄港、ヒュプシピュレー
18、ドリオニアー寄港、キュージコス
19、ヒュラース誘拐とヘーラクレース{ヘラクレス}
20、ポリュデウケース、アミュコスと相撲す
21、ピーネウスとハルピュイア、ゼーテース、カライス
22、シュムプレーガデス岩
23、マリアンデューノイ人の国に寄港、イアーソーン、メーデイア{メディア}の援助により金毛皮を得
24、アルゴーの人々メーデイアとともに出帆す、メーデイアの弟アプシュルトスの死
25―26、セイレーン、カリュブディス、スキュラー、パイアーキアー、アナペー、クレータ(青銅巨人タロース)、アイギーナ、イオールコス
27、アイソーンの死、メーデイアのペリアースに対する復讐
28、メーデイアわが子を害してアテーナイに遁る。のちコルキスに帰る

【第2巻】[第1章~第8章]イーナコスの後裔

[第1章]
1、イーナコスとその子供
2、アルゴスとその子供、普見者アルゴス
3、イーオー、普見者アルゴス、ヘルメース{ヘルメス}に殺さる。イーオーの漂泊
4、エパポスの孫アゲーノールとベーロス。ベーロスの子アイギュプトスとダナオス
5、アイギュプトスの50人の息子とダナオスの50人の娘の話、ヒュペルムネーストラーとリュンケウス、アミューモーネーの子ナウプリオスとその子孫
[第2章]
1、リュンケウスの子アバース、その子アクリシオスとプロイトス
2、プロイトスの娘たちの狂気、メラムプースによって治療さる
[第3章]
ベレロポンテース
[第4章]
1、アクリシオスの娘ダナエーとその子ペルセウス
2、ペルセウス、ゴルゴーン{ゴルゴン}の首を得
3、アンドロメダー。ペルセウス、セリーポス人を石と化す。アテーナーの楯上のメドゥーサの首の由来
4、アクリシオスの死
5、ペルセウスとアンドロメダーの子孫
6―8、エーレクトリュオーンとプテレラーオスの子供たちの争い、アムピトリュオーン、ヘーラクレース{ヘラクレス}の誕生(9-第7章8、ヘーラクレース)
9、ヘーラクレースの教育
9―10、キタイローン山の獅子退治
11、ミュニアース人を破り、メガラーと結婚す
12、狂気となって子を殺害し、その償いにエウリュステウスに仕う
[第5章]
ヘーラクレースの十二功業
1、ネメアーの獅子退治
2、レルネーの水蛇退治
3、ケリュネイアの鹿
4、エリュマントスの猪
5、アウゲネイアースの牛小舎
6、ステュムパーロスの鳥
7、クレータの牡牛
8、ディオメーデースの牝馬
9、ヒッポリュテーの帯
10、ゲーリュオネースの牛
11、ヘスペリスの林檎
12、ケルベロス
[第6章]
1、イオレーに求婚して退けらる
2、イーピトスを狂気の裡に殺す。アポローンとデルポイにおいて争う
3、オムパレーに仕う。ケルコープス、シュレウス退治。イーカロス{イカロス}を葬る
4、トロイアー攻略
[第7章]
1、コース攻略、巨人(ギガース)たちとの戦い
2、アウゲイアースとの戦い、エウリュトスとクテアトス、オリュンピア競技の始まり
3、ピュロス攻略、ヒッポコオーンとその子を殺す
4、アウゲーとその子テーレポス
5、デーイアネイラを妻とす。アマルテイアの角(つの)
6、テスプローティアーのエピュラー攻略。誤ってエウノモスを殺す。ケンタウロスのネソスを殺す
7、ドリュオプス人を征服、ラーオゴラース、キュクノス、アミュントールを殺す。オイカリアーの攻略とイオレー。ヘーラクレースの死と神化
8、ヘーラクレースの子供たち
[第8章]
1、ヘーラクレースの後裔
1、ヘーラクレースの後裔まずケーユクスの所へ、ついでアテーナイに遁る。エウリュステウスの死
2、第二代目の子孫の帰還と失敗
2―3、第三代目の子孫テーメノス、クレスポンテース、アリストデーモス、第一回目の帰還の企てに失敗す
3―4、十年後オクシュロスの指揮下に帰還して、ペロポネーソスを分割領有す。テーメノスとクレースポンテースの死

【第3巻】[第1章~第7章]アゲーノールの後裔

[第1章]
1、アゲーノールとその子、エウローペー{エウロペ}
2、その子、ミーノース{ミノス}、サルペードーン、ラマダンテュス
3、ミーノース、ポセイドーンの牡牛
4、パーシパエー{パシパエ}およびその子ミーノータウロス{ミノタウロス}
[第2章]
1、カトレウスとその子アルタイメネースとアペーモシュネー
2、カトレウスの娘アーエロペーとクリュメネー、アルタイメネース誤ってカトレウスを殺す
[第3章]
ミーノースの子供たち。グラウコスと予言者ポリュイドス
[第4章]
カドモスとその子孫
1ー2、カドモス竜を退治し、テーバイを創建す。スパルトイ。カドモス、ハルモニアーを妻とし、長衣と頸飾りを与う。両人の子孫
3、セメレーとディオニューソス{ディオニュソス}。イーノーとメリケルテース
4、アクタイオーン
[第5章]
1ー3、ディオニューソスとその旅
1、リュクールゴス
2、ペンテウス、アガウエー
3、ディオニューソスと海賊
4、カドモスとハルモニアー、エンケレイス人の地に来り、後蛇と化す
5、ラプダコス、ラーイオス、アンティオペー。ゼートスとアムピーオーンの兄弟ディルケーを殺し、テーバイの城砦を築造す。ラーイオス、ペロプスのもとに遁れ、その子クリューシッポスを誘拐す
6、ニオベー
7、ラーイオスとイオカステーの子オイディプース{オイディプス}、ペリポイアに育てらる。オイディプース知らずして父を殺す
8、オイディプース、スピンクスを退治し、テーバイ王となり、知らずして母と婚す。両人の子供たち
9、この事が明らかとなり、オイディプース、テーバイを退き、コローノスに死す
[第6章]
1ー7 1、テーバイにむかう七人
1、エテオクレースとポリュネイケースの争い、ポリュネイケース、アドラストスのもとに遁る
2、アムピアラーオスと妻エリピューレー
3、七将の名
4、ヒュプシピュレーとオペルテース。ネメアー祭競技
5、テューデウスの功業
6、テーバイの七門
7、テイレシアース、メノイケウス、カパネウス
8、アルゴス軍敗走し、七将中アドラーストス以外殪る
[第7章]
1、アンティゴネー、ポリュネイケースを葬る。アテーナイ人アルゴスの将を葬る
2ー4、第二のテーバイにむかう七人(エピゴノイ)
5ー7、アルクマイオーン

【第3巻】[第8章~第9章]ペラスゴスの後裔

[第8章]
1ー2、ペラスゴスの子リュカーオーンとその子供たち、ニュクティーモス以外ゼウスの雷霆にうたれて死す。カリストーとアルカス
[第9章]
1、アルカスの子孫、アウゲーとその子テーレポス
2、アタランテー

【第3巻】[第10章~第12章]アトラースの後裔

[第10章]
1、プレイアデス
2、マイアの子ヘルメース
3ー4、ターユゲテーの子孫、ラケダイモーン、ヒュアキントス、リュンケウス、イーダース。アスクレーピオス{アスクレピオス}
5、ヒッポコオーンの子供らテュンダレオース{テュンダレオス}とイーカリオスを追う。レーダー{レダ}
6、イーカリオスとテュンダレオースの子供たち
7、ゼウスとレーダーよりヘレネー生る
8ー9、ヘレネーの求婚、オデュセウス{オデュッセウス}、ペーネロペー{ペネロペ}を得
[第11章]
1、メネラーオス{メネラオス}の子供たち
2、かストール{カストル}とポリュデウケース{ポリュデウケス}
[第12章]
1ー6、トロイアー王家の系譜
1、ダルダノス
2、イーロス、ガニュメーデース{ガニュメデス}、アンキーセース{アンキセス}
3、イーロス、イーリオンの建設、パラディオンの由来
4、ティートーノスと曙
5、プリアモスの子供たち
6、アレクサンドロス(パリス)の妻オイノーネー

【第3巻】[第12章~第13章]アーソーポスの後裔

[第12章]
6、アーソーポスの子供たち、アイアコスとその子ペーレウス{ペレウス}、テラモーン、ポーコス
7、テラモーン、サラミースに移る
[第13章]
1ー7、ペーレウス(5、テティス 6、アキレウス)
8、アキレウス、トロイアー遠征に従う。ポイニクスとパトロクロス

【第3巻】[第14章~第16章]アッティカの諸王

[第14章]
1、ケクロプス
2、その子供たち、「アレースの丘」の由来
3、ケパロス
4、アドーニス{アドニス}、スミュルナ
5、クラナオス
6、アムピクテュオーンとエリクトニオス
7、パンディーオーン
8、その娘、プロクネートピロメーラーの話
[第15章]
1、プロクリスとケパロス
2、オーレイテュイアとボレアース
3、クレオパトラーとピーネウス
4ー5、エウモルポス、エレクテウスの子ケクロプス、ケクロプスの子パンディーオーン、アイゲウス
6ー7、アイゲウス王となり、アイトラーによってテーセウス{テセウス}を得
7ー8、ミーノース王アテーナイを攻め、ミーノータウロスへの生贄を求む。ダイダロス
[第16章]
1ー2、テーセウスの成長と功業

【摘要】[第1章~第7章]

[第1章]テーセウス
1ー4、テーセウスの功業
5ー6、メーデイアの彼に対する陰謀
7ー15、ダイダロスとイーカロスの話、ミーノースの死
16ー19、ヒッポリュテー、ヒッポリュトス、パイドラーの話
20、イクシーオーン
21、ペイリトゥースとともにケンタウロスと戦う
22、カイネウス
23ー24、テーセウス、ヘレネーを奪う。ペイリトゥースとともに冥府に赴く。テーセウスの死
[第2章]ペロプスとその後裔
1、タンタロス
2、プロテアース
3ー7、ペロプス、オイノマオスの娘ヒッポダメイアを得
8ー9、ペロプス、ミュルティロスを害す
10ー14、アトレウスとテュエステースの話
15、アガメムノーンとメネラーオス
[第3章]「イーリアス」以前のトロイアー物語
1ー5、ヘーラー、アテーナ―、アプロディーテーの美の争い、アレクサンドロス、ヘレネーを奪う
6ー7、アガメムノーン、トロイアー遠征を企つ。オデュセウス狂気を装いて出征を避けんとし、パラメーデースに看破さる
8、オデュセウス、パラメーデースを陥る
9、キニュラース
10、「葡萄酒つくり」
11ー14、ギリシア軍勢の表
15ー16、カルカースの予言
17ー20、テーレポス
21ー22、イーピゲネイア{イピゲネイア}
23ー25、テネースと継母の話
26、テネースの死
27、ピロクテーテース{ピロクテテス}
28、オデュセウスとメネラーオス、ヘレネーの返還を求む
29、トロイアー上陸
30、プローテシラーオスの死、ラーオダメイア
31ー33、アキレウスの功業
34ー35、トロイアー方援軍の表
[第4章]「イーリアス」
1、アキレウスの憤怒
2、ディオメーデース{ディオメデス}とアイアース{アイアス}の功業
3、アキレウスへの使者
4、レーソス
5、ギリシア軍の敗走
6ー7、パトロクロスの死、アキレウス、ヘクトール{ヘクトル}を討つ
[第5章]「イーリアス」以後のトロイアー物語
1、ペンテシレイアの死
2、ヒッポリュテー
3ー7、メムノーン{メムノン}の死、アキレウスの死、その武具争いとアイアースの死
8、ピロクテーテース、レームノスより来る。アレクサンドロスの死
9ー10、ヘレノス
11ー12、ネオプトレモス
13、オデュセウス、パラヂオンを盗む
14ー22、木馬の計略(ラーオコーン{ラオコーン})とトロイアーの攻略、カッサンドラー
23、アスティアナクス、ポリュクセネー、カッサンドラー、ヘカベー、ラーオディケー
[第6章]帰還(ノストイ)
1、トロイアー出帆
2ー4、カルカースの死
5ー6、アイアースの死
7ー11、ナウプリオスの復讐、イードメネウス
12ー14、ネオプトレモス
15、ギリシア軍各地に漂着す
16ー17、デーモポーンとピュリスの話
18、ポダレイリオス
19、アムピロコス
20ー22、ロクリス人、トロイアーのアテーナ―に乙女の官を捧ぐこと
23、アガメムノーンの死
24ー28、オレステース
29、メネラーオスとヘレネー
[第7章]「オデュセイア」とその後日譚
1、オデュセウスの放浪の場所
2、キコーン人
3、食蓮人
49、ポリュペーモス
10ー11、アイオロスの島
12ー13、ライストリューゴーン人
14ー17、キルケーの島、オデュセウス死者の霊を訪う
18ー20、セイレーン
20ー23、カリュプディス、スキュラ、トリーナキアー島
24、カリュプソー
25、パイアーキアー人に救わる
26ー33、ペーネロペーの求婚者殺戮
34ー35、テスプローティアーに至る
36ー37、テーレゴノスの手にかかって死す
38ー40、その他の異説

訳注

固有名詞索引

アポロドーロス

本棚に居並ぶ本の中で、ギリシア神話の総括的な系譜と言えば、その古さからもヘシオドスの『神統記』だろう

なんせタイトル通りに神々の系譜のみで、その由緒正しさでは他の追従を許さぬが、このヘシオドスに次ぐ(あるいはヘシオドスを継ぐ)正統派かつ詳細な系譜となると、これがずっと時代を下ってローマのアポロドーロスになってしまうのだな

ギリシア神話の集大成的な書物は、ヘシオドスからアポロドーロスまでの間にもいくらでもあったろうが、殆どが散逸してしまい(断片的には残存するがね)、とりあえず手元にある中ではこの2冊に尽きる

神や英雄の物語は民族毎にあるが、文字が発明される以前には、神話が口承文学として語り継がれてたのは言うまでも無く、古代ギリシアでは叙事詩として、吟遊詩人が詠(うた)い継いでた

MicrosoftのImage Creatorによる桂冠を被ったホメロス

かの『イリアス』と『オデュッセイア』も紀元前8世紀頃にホメロスによって完成されたとされてるが、文書化されたのはホメロス没後の紀元前6世紀頃と推定されてる

つまり、古代ギリシア語の原文にして、『イリアス』は約15,693行、『オデュッセイア』は約12,110行という壮大な叙事詩だが、実はホメロスは一言一句でさえ、書き残しちゃいないワケだ

ちなみにこれはMicrosoftのImage Creatorに最初に作ってもらった桂冠を被ったホメロス的な画像だが、だから後ろに本があるの間違いだし(しかも巻物でもなく製本されてるし)、杖の先に刃物が付いてるのも武器みたいで詩人の杖としては変だと思われ、掲げてる像も光輪が付いてるのがイエス・キリスト以降の流行りだろうて奇妙だ、サボテンも外来種としてギリシアに齎されるのは大航海時代以降でしょう、よく見たら桂冠もヘルメットみたいの被ってるのの飾りみたいな?なんて、間違い探しが捗って面白い

ホメロスより後の文字が成立した時代になると、ギリシア神話の一部を主題にして、戯曲化されたギリシア悲劇が演じられるようになったが、元のギリシア神話が当時は人口に膾炙してたので、神を含む登場人物や繰り広げられるエピソードは既知のモノなので説明は不要だった

江戸っ子が古典落語や講談の挿話を熟知してたように、古代ギリシア人もギリシア神話を心得てたので、その手引きとなるような系譜や挿話集を改めて編纂する必要も無かったのだろう

それが時代を経たローマにおいて、ギリシア神話からローマ神話へと受け継がれたが、ギリシアを征服したローマ人がギリシア人の優れた文化を蔑ろにせず、むしろ知見豊かなギリシア人を尊敬して教師として雇い入れてたのは素晴らしいコトだ

まあ賢くなりたい(見せたい)ローマ人にとって、ギリシア語とギリシア神話の知識が不可欠だっただろうね、ギリシア人の出自がどこまで本気かは別として、必ず神や英雄に由来してたのだからね

そう考えるとアポロドーロスは、まずギリシア語の文献に明るかっただろうが、几帳面な性格なのか?系譜に重きを置いて編纂したのが『Bibliotheke(ビブリオテーケー)』だった

余り重要ではなさそうな人物の家系の説明までが本編から逸れて延々と続いたり、頭数を合わせるためだけに名前のみ登場とかもあって、まともに最初から最後まできっちり読もうとすればうんざりするような記述で、なんか『旧約聖書』ぽいのがこの書物の特徴

これに比すれば、オウィディウスの『変身物語』やウェルギリウスの『アエネーイス』は、さしずめ大衆娯楽作品だ!

ギリシア神話はラテン文学に織り込まれる中で、ギリシア・ローマ神話として改訂されたのだが、ラテン文学においてはどうも娯楽性を追及し過ぎてか、こじつけてる部分も多く感じてしまう=信憑性に欠けるので、とにかく何か疑問に思ったら、すかさずアポロドーロスの『ギリシア神話』で調べるのが捗る

そもそもが神話なので、信憑性を求めるのはどうかしてるがね、実際にあった出来事も多少は含まれたやもだが、荒唐無稽であれば虚構に違いなく、ギリシア・ローマ神話が総じて史実かどうかって訊かれたら、「そりゃ寓話だよ!!」と真顔で胸を張って答えられる

科学的に検証するのに無理があるのは重々承知してるが、そう割り切りつつも考察を重ねずにはいられぬ・・・それは編み出したい結論があるからだろうて!!

神話に希求するのはもちろん真実ではなく(たまたま事実を突き止めてたりするかもだが)、自分の思想や嗜好の「新たな方向付け」とか「根付いてる部分への共感」とか、要するに自分の存在意義を見出したい・・・のか?

Author: roseaux